就職してから奨学金の返済が始まると、毎月の負担がじわじわと重く感じてくる。特に名寄に来たばかりの方は、「こういう制度、あるって聞いたけど自分は使えるのかな」という段階で止まったままになりがちです。
わたしは地域情報メディア『なよろレンズ』編集長の、クウといいます。名寄市内で鍼灸院を営みながら、地元の暮らしに関わる情報を日々追いかけています。行政の制度は、知っているかどうかで使えるかどうかが変わる。だから、丁寧に整理したいと思っています。
今回は名寄市が設けている奨学金返済の支援制度を取り上げます。働き始めた個人向けの助成と、従業員を支援する企業向けの助成、それぞれについて、対象や申請の流れを順番に確認していきます。
この制度、名寄で働く人に関係する話です
名寄市は、市内に就職した新社会人と、UIJターンで戻ってきた方を対象に、奨学金の返済を助ける制度を作っています。令和6年4月1日以降に名寄市内で働き始めた方が対象で、すでに申請が動いている制度です。
制度は二種類あります。一つは本人が申請する「若者地元定着奨学金返済支援助成金」、もう一つは雇用した企業が申請する「若者地元定着応援企業助成金」。両方の併用もできます。
個人向け助成の対象になるかどうか
対象になるのは、大学等を卒業して在学中に奨学金を借り入れており、現在返済中か返済を予定している方。加えて、名寄市内の企業で働き、市内に住んでいること。税金の滞納がないことも条件です。
- 通常の助成額
-
年額12万円を上限に、最長5年間(60ヶ月)。5年間で最大60万円の助成になります。
- 名寄市立大学の卒業生の場合
-
年額18万円を上限に、最長5年間。最大90万円の助成になります。
- 対象期間の計算方法
-
月単位で計算し60ヶ月が上限。返済開始が10月の場合は、5年後の9月までが対象期間となります。
「就職後6ヶ月以内」という期限をまず確認する
個人向け助成で最初に動くのが「認定申請」です。これは就職した年度内かつ就職後6ヶ月以内に行う必要があります。この期限を過ぎると登録できなくなる可能性があるため、働き始めたタイミングで確認しておくのが無難です。
翌年度の4月に行う「交付申請」は、認定を受けた後に前年度の返済実績を報告するもの。まずは認定申請を済ませることが先決になります。
認定申請に必要な書類を事前に把握する
認定申請では複数の書類が必要で、入手先がそれぞれ異なります。卒業証明書は卒業した大学等へ依頼、奨学金の返済残額や返済予定額がわかる書類は日本学生支援機構などの貸付機関から届く書類を使います。
- 認定申請書・雇用証明書 → 市役所産業振興課
- 卒業証明書 → 卒業した大学等へ問い合わせ
- 奨学金返済残額・返済予定額がわかる書類 → 奨学金の貸付機関から届く書類
- 住民票 → 市役所市民課(名寄庁舎)または市役所地域住民課(風連庁舎)
書類の取得にはそれぞれ時間がかかる場合があります。6ヶ月の期限を意識しながら、早めに動いておくほうが余裕が生まれます。
企業向け助成は従業員の登録が先に必要
企業向けの「若者地元定着応援企業助成金」は、従業員の奨学金返済を会社として支援している場合が対象です。助成の内容は、支援額の50%・年額20万円を上限に最長5年間。個人向け助成との併用も認められています。
ただし、企業が申請するためには、まず対象となる従業員が「若者地元定着奨学金返済支援助成金」の認定を受けていることが前提です。その認定決定後1ヶ月以内に、企業側の認定申請を行う必要があります。順番を間違えると手続きが進まないため、従業員の状況と合わせて確認する必要があります。
企業側の申請で用意する書類と順番
企業の認定申請には、社内の奨学金返済支援制度を記載した規則等が必要です。これは企業側で用意するもので、制度がまだ明文化されていない場合は事前に整備しておく必要があります。
対象となる従業員本人が産業振興課に認定申請を行い、認定通知書を受け取ります。
従業員の認定通知書の写しなどを添えて、企業が登録企業認定申請書を提出します。
前年度に企業が支援した奨学金返済額の実績を報告し、助成金の交付を申請します。
今の時点で確認できていないこと
名寄市の公式ページで制度の内容は確認できます。ただし、令和7年度以降も同じ内容で受け付けているかどうか、新たに就職した方が今からでも申請できるかどうかは、現時点のページ上では明示されていません。
制度の継続や申請受付の状況は、市役所の産業振興課に直接確認するのが確実です。「自分は対象になるか」という疑問も、窓口で一度相談するのが早い。

制度があるのを知らずに申請期限を過ぎてしまうのが、いちばんもったいない
制度の概要をまとめて確認しておく
| 項目 | 個人向け助成 | 企業向け助成 |
|---|---|---|
| 助成額の上限 | 年額12万円(市立大卒は年額18万円) | 支援額の50%・年額20万円 |
| 助成期間 | 最長5年間(60ヶ月) | 最長5年間(60ヶ月) |
| 最初の手続き期限 | 就職後6ヶ月以内に認定申請 | 従業員の認定決定後1ヶ月以内 |
| 毎年の手続き | 翌年度4月に交付申請 | 翌年度4月に交付申請 |
| 問い合わせ先 | 市役所産業振興課(電話 01654-3-2111) | |
公式窓口で確認したいことを一つ決めておく
まず確認したいのは、自分が今から申請できる状況かどうかです。市役所の産業振興課に電話するか、メール(ny-sangyo@city.nayoro.lg.jp)で問い合わせると、現在の受付状況と対象要件を具体的に教えてもらえます。申請書類のダウンロードは市の公式ページからできますが、提出前に一度確認をとるほうが確実です。
わたし自身も、地元で小さな事業を続けている立場から、こういう制度の存在は早めに知っておいてほしいと思っています。制度の内容よりも、「自分が使えるかどうか」を確かめる一歩のほうが先で、それは電話一本で動けることです。
名寄で新しく働き始めたばかりの方も、UIJターンで戻ってきた方も、ぜひ一度、自分が対象かどうかを確かめてみてください。













